2025.4.24

第15回(2025年4月20日)開催報告

 朝のミーティングで「遠友夜学校」の校歌(1番から9番までのすべて)を書いた資料を配布しました。そして、学習活動終了後のふりかえりの時間で、「映画『新渡戸の夢~学ぶことは生きる証~』サウンドトラック dreams」から、1番・5番・9番の男性四重唱しっとりバージョンとロックバージョンの2曲を皆で聴きました(突然に無理やり聴いてもらったというべきか・・)。全く違うバージョンで、それぞれ独特の良さがあり、ホントに素敵な歌詞とメロディーだと思います。3月8日(土)に宇都宮自主上映会で鑑賞した映画のシーンがいくつか浮かんできました。
 遠友夜学校校歌を一緒に聴きたいと思ったことには、15日と16日に札幌に宿泊したことが大きく関係しています。生まれ育った夕張に17日に行く用事があり、これを機会に札幌遠友塾自主夜間中学の関係者とお会いするとともに授業の見学をしてきました。遠友塾は1990年に開校された自主夜間中学です。とちぎに自主夜間中学を開校する準備段階から今日まで、工藤慶一さんはじめ、遠友塾関係者には大変お世話になってきました。遠友塾の活動からたくさん学ぶことがありましたし,今後も学んでいきたいと思っています。
 遠友塾は毎週水曜日夜に学習活動をしていますが、最初の全体会で歌を一緒に歌います。毎回違う歌が用意されるようです。16日は「手のひらを太陽に」(作詞:やなせたかし、作曲:いずみたく)でした。数年前になりますが、福島駅前自主夜間中学では1コマと2コマの間に校歌を皆で歌っていました。最初でも途中でも歌や音楽を入れることは良いなあと思いつつ、とちぎでは普段の学習活動では音楽を入れていません。「手のひらを太陽に」を一緒に歌いながら、音楽をどこかで入れたいという気持ちが強くなりました。そして、嬉しいことに、工藤さんから「dreams」をご提供いただいたのです。「新渡戸の夢」は内容も素晴らしかったですが、音楽も自然描写も素敵でした。ただ、上映会以降、CDを聞く機会はなかったのです。
 16日の日中に工藤さんに北海道大学記念博物館をご案内いただきました。明治9年(1876)に札幌農学校として始まった北海道大学の歴史展示にはじまり、実に多くの標本・資料が公開されています。そのなかに新渡戸稲造のコーナーがあります。1時間くらいの短い時間でしたが、「新渡戸の夢」だけでは知りえない新渡戸の歩んだ歴史に見入っていました。そして、新渡戸のことをもっと知りたいと思うようになりました。宇都宮から札幌までの移動中に『札幌誕生』(門井慶喜、河出書房新社)という、つい最近出版された本を読んでいたのですが、内村鑑三を描いた章の中に新渡戸が何度も登場しています。
 今回の札幌行きで、新渡戸に対する関心が改めて強くなりました。そして、20日朝、車で栃木市に向かいながら、「dreams」に収録されている音楽を全部聴くことが出来ました。聴いているうちに、今日はみんなにも聴いてもらおうと思ってしまったのです!。
1番と5番と9番の歌詞を書きますね。

1 沢(さわ)なすこの世(よ)の楽(たの)しみの
 楽(たの)しき極(きわ)みは何(なん)なるぞ
 北斗(ほくと)を支(ささ)える富(とみ)を得(え)て
 黄金(こがね)を数(かぞ)えん其時(そのとき)か
 オー 否(いな)否(いな)否(いな)
 楽(たの)しき極(きわ)みはなほあらん

5 正義(せいぎ)と善(ぜん)とに身(み)をささげ
 欲(よく)をば捨(す)てて一すじに
 行(い)くべき路(みち)を勇(いさ)ましく
 真心(まごころ)のままに進(すす)みなば
 アー 是(こ)れ 是(こ)れ 是(こ)れ
 是(これ)こそ楽(たの)しき極(きわみ)みなれ

9 衣(ころも)もやがて破(やぶ)るべし
 ゑひぬる程(ほど)もつかの間(ま)よ
 朽(く)ちせでやまじ家倉(いえぐら)も
 唯我心(ただわがこころ)かはらめや
 アー 是(こ)れ 是(こ)れ 是(こ)れ
 是こそ楽しき極みなれ

 dreamsではこの校歌が様々なバージョンで流れてきます。どれも味わい深いです。上映会では映画の音楽を担当された合田さんも来られていましたが、この音楽誕生秘話について聞いてみたくなりました。9番の歌詞は難しいですね。そして、1番・5番・9番以外の歌詞はまだ全く読めていません。どれも簡単に理解できない歌詞だと思いますが、じっくり向き合ってみたいと考えています。皆さんもぜひ、遠友夜学校校歌に関心あれ!ちなみに、この日は帰りの車中でも、夜の宇都宮校の行き帰りの車中でもdreamsをずっと流していました!!
札幌行きの印象が強く、長々と書いてしまいましたが、関心を共有してもらえると嬉しいです。27日の最初のミーティングと振り返りの時間には「あの校歌」を皆で聴こうか、とひそかに考えています。

 本日の学習者は、小学生2名、中高生4名、社会人5名の計11名でした。正直、もっと多くの学習者に参加してもらいたいです。全国的にも自主夜間中学の社会的認知度はまだ低く、参加するボランティアスタッフも学習者も限られています。この大きな理由は、自主夜間中学の良さや魅力を分かりやすく、かつ心に訴えるように情報を届けていないことにあるかと思います。この点は様々な工夫をしていきたいと考えています。
 ところで、自主夜間中学は年齢も国籍も多様な人々が学び交流する多文化共生的な場です。一方で、地域に暮らす外国人と日本人の交流を促し、多文化共生社会を構築推進する組織として全国に国際交流協会があります。両者は「多文化共生社会の構築推進」という理念を共有しています。しかし、これまで、全国的に自主夜間中学と国際交流協会の連携はほとんどなかったのです。とちぎに夜間中学をつくり育てる会と栃木市国際交流協会が連携して開校したとちぎ蔵の街自主夜間中学は、多文化共生社会の構築推進という点で様々な可能性を秘めています。栃木市国際交流協会のネットワークと事業実績を踏まえた一層の連携強化を図りながら、自主夜間中学ならではの取り組みを行っていきたいと考えています。
 算数が大きらいで全然わかんない!という子に算数の面白さをどのように伝えられるのか。なんか面白い本ないかなと書店をうろつくこと30分、『さんすう 教養 マンガ ねむれないほどおもしろい算数』(主婦の友社)という本を発見しました。なかなか面白い本です(田巻松雄)。